今回のシンドラー製エレベーターの事故で貴重な人の命が奪われてから、各地で同様
にストップする事故が報道されている。本当に痛ましい限りです。

ハワイの3年間の生活では38階建てのワイプナ・コンド30階で暮らしていた。
治安が良いコンドにはセキュリティ・スタッフが常駐しており、安心をお金で買う
ようなものだ。メンテナンスのスタッフもおり、毎日顔を合わせるので良い話し相手だ。


ワイプナ・コンドに3年住んでいた2000年に確かエレベーター内に
Congratulation!という張り紙があった。
読んでみるとこのコンドを30年ローンで購入した
所有者の支払いが終わったことへのお祝い、
メッセージが管理マネージャーからだ。


このコンドでは高層階と低層階用のエレベーターが3台ずつあるが、常にといって良い
ほどどこかは必ず止めて点検していた。オーチス製の昔からある古い型で丁寧に
メンテナンスをしていた。

そんな年数を経過したコンドの高層階用エレベーターに妻と二人で乗っていたとき、
エレベーターが突然止まった。セキュリティをマイクで呼ぶと、英語で話しかけて
くる。音声が割れてて聞き取りにくかったけど、どうやら今エレベーター会社を呼ん
だから少し待てと言っているようだ。 勇気付けるかのようにいろいろと話しかけて
くるが、しばらくして、あちこちでドアを叩く音がする。
そして僕らにどこにいるかを聞いてくる。どうも階と階の間に止まっていることが
わかった。結局約1時間閉じ込められてやっと開放された。
他の住人何人かにその話をすると、結構みんな閉じ込められた経験があるようで、
笑いながら仕方が無いと話は終わり。
それからというもの、エレベーターに乗る前には必ずトイレに行くようにしていた。
閉じ込められて、我慢できなくなることもあるからだ。笑い話のようで、まじめな話。

おおらかと言うか、自己責任が徹底しているというか、少々のことでは驚かないよう
になった自分にも驚いた。100%完全に動くなんてアメリカでは誰も思っていないし、
壊れたり止まることを前提にした社会と痛感する。

コンピューター制御で完全無欠と思っていると、思いがけない故障が起こる。
昔ながらの油を差しながら調整する、いわばアナログ型もよいかもしれない。