薩摩焼陶工の里・美山では、東郷茂徳記念館、荒木陶苑、壽官陶苑を訪ね、カフェ・
アップルミントで食事をしたけど、あいにくの雨でゆっくり歩けず残念でした。

まず「元外相東郷茂徳記念館」を訪ね、ラウンジで原口先生から講義を受ける。

元外相 東郷茂徳記念館

豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、朝鮮半島から陶工として連れて来られ美山に薩摩焼を興し
た43人の朝鮮人陶工。父、朴寿勝は優れた陶工であり、実業家としての手腕に長けて
いた。1886年には士族株を購入し、東郷姓に改めている。その末裔で、太平洋戦争の
開戦時と終戦時に外務大臣を務めた東郷茂徳の生涯を、時代背景や陶郷美山の
歴史と共に展示紹介している。
7高時代は全科目2番以下が並ばないほどの大変な秀才で、東京帝国大学ドイツ文学
科に入学。しかし、文学ではなく実社会に働きたいと外交官を志し、彼は31歳で外交
官試験に合格する。
第2時対戦開戦時には外務大臣になったが戦争に反対して辞職。1945年4月戦争終結の
ため外務大臣となり終戦を迎えたが、A級戦犯に指名され、東京裁判で禁固20年の
判決を受けた。
獄中で様態が急変し、家族に見取られることも無く、67歳で無くなっている。

カフェ・アップルミントのランチお腹もすいたので探検の会が予約した
カフェ・アップルミントでランチ。
陶器の里での食事は料理と器も楽しみだね。
料理は地元の野菜中心だそうで、おいしく、
これで650円と言われみんなビックリ。
コーヒーカップもたくさんあって美味しそうでしたね。



昼食後はまず、「荒木陶窯」に行く。

原口先生と現代の名工・荒木幹二郎さん荒木陶苑の登り窯

2006年度「現代の名工」150人に選ばれた陶芸家、荒木幹ニ郎さん(77歳)がわざわざ
出てきてくれた。 
作陶60周年を記念して11月に鹿児島市で記念展を開き、作品集を出版したばかりだと
言って原口先生に贈呈された。つい最近フランス・セーブル美術館(国立陶磁器美術
館)のキューレーターが訪ねてきて、本物の薩摩焼に巡り合ったと激賞されたという
話を披露されたのが印象的。

雨足はだんだん強くなってきているので、車で「沈壽官窯」へ行く。

壽官陶苑原口先生と第15代 沈壽官さん

まずは収蔵庫で歴代の作品をずっと見て回る。特にパリ万博などへ出展した第12代の
作品が素晴らしい。即売所へ行くと、そこに第15代沈壽官さんが現れ、普段入れない
別棟「壽友陶苑」に案内してもらい、少し第15代から話を伺うことが出来た。

朝鮮から渡ってきた陶工はみな士族株を買って改名したが、一人沈壽官だけが名前を
買わず、リーダー役なのに常に平民を心がけていた。
室内には薩摩琵琶や薬棚、漆塗りの箱など江戸時代の家老・小松帯刀ゆかりの品など
興味深いが、庭園も春になると赤と白の梅が咲き大層きれいだよと説明してもらう。

沈壽官さんと別れて、雨足が止まず残念だけど散歩を諦めて鹿児島に戻ることにした。