大分の行く時にはガイドブックとして、斉藤雅樹さんの温泉本と共に、藤井絵理さんの取材撮影した「大分の古民家スタイル」を見るようにしている。今回の久住高原散歩の後に古民家でコーヒーを見たいとチェックしたら、豊後森駅近くに集まっているのに気づいた。普通のガイドブックで取り上げられることはない地域だし、高速に乗る前の休憩地点として寄ってみた。

大分の古民家スタイル (九州十色シリーズ)
大分の古民家スタイル (九州十色シリーズ)


豊後森は特徴のある大岩扇山が見える町久住でゆっくりしたため、玖珠市森に着いたのが夕方5時。三島公園に駐車して早速、日本一小さいという城下町・豊後森地区を歩いてみた。町からは万年山や伐株山と同じメーサ型溶岩台地である大岩扇岩(691.1m)が見える。山頂近くの柱状節理は国指定の天然記念物で歩いていける。「八丁坂」と呼ばれる湯布院塚原から日出町豊岡まで続く参勤交代の道も残されているそうだ。

町には一寸法師像などが立っている通りには、金太郎像・浦島太郎像・鬼の像・一寸法師像・桃太郎像・一休さんなどの像が立っており、童話の里という案内もあり、森本町通りはレンガ通りとして補助金で整備されているのもわかる。

古い民家も多く江戸時代や明治時代を感じさせる小さな町は、夕方でもあり殆ど歩く人はいない。

酢屋は元・造り酒屋で、母屋は大正10年に建った食事茶房「金太郎」は玖珠特有の竹瓦。

デンマーク国王をして日本のアンデルセンと呼ばしめた口演童話家・久留島武彦翁の記念館「久留島記念館」は5時閉館で残念ながら入れず。86歳まで全国各地を廻り、読み聞かせた語り口は録音されており、是非その肉声を聞いてみたい。武彦翁の祖先は瀬戸内海・来島水軍の末裔、豊後国森藩を築いた来島(久留島)氏で、関が原合戦の翌年、当地に入封し1万4千石の領主となった。童謡『夕やけ小やけ』を作詞したのが久留島武彦翁とは知らなかった。

カフェ・レトラスのモカコーヒーとシフォンケーキ小さな一画をぶらぶら歩いてからお目当ての「カフェ・レトラス」で休憩することにした。大正7年に建てられた元・郵便局の外見はレトロな洋館。ドアを開けて入り、靴を脱いで板間に上がる。

ゆったりしたスペースにテーブルが3つだけ。ジャズが鳴り、おいしいコーヒーでゆっくりした時間が流れている。また来たい場所の一つになった。