盆の娘たちとの九州旅行2泊目の8月14日は、産山村で遊んでから、南阿蘇にある一軒しかない垂玉温泉に泊まった。

大浴場「天の湯」2005年8月20日、白川水源に行ったあと、山口旅館に日帰り入浴をしたが、泊まりでないと「金龍の滝」の下にある「滝の湯」には入れないと知って、機会があれば泊まってみたいと思っていた。

通りから見た旅館の全景明治40年(1907年)夏、北原白秋、木下杢太郎、吉井勇、平野万里、与謝野鉄幹の五人が九州旅行を試みて、紀行文「五足の靴」を残しているが、この五足の靴の一行が阿蘇で泊まったのが垂玉温泉・山口旅館だと日帰り入浴して知った。
このとき、年長者の鉄幹35歳、ほかはみな20代。白秋は福岡県柳川の出身であり、キリシタン史跡の多い平戸・長崎・島原・天草を中心に九州を旅し、旅行記「五足の靴」が「五人づれ」の匿名で東京ニ六新聞に連載されている。

旅館のロビー玄関には懐かしい赤いポスト
阿蘇の南側に広がる地域はいわゆる阿蘇観光ではあまり訪問することは無いが、ペンション村が多く、湧水源や古くからある湯治で知られている宿がある。325号線から山口旅館に向かうと徐々に狭くなり、秘境の雰囲気が出て突然空間が広がると、そこが旅館が1軒しかない垂玉温泉。山の家風の玄関、ロビーにはくつろぎのスペースがゆったりとあるのが目に付き、良い感じ。

部屋からは金龍山から落ちる滝が見える客室は和室31室、本館・東館・西館・別館と分かれている。そして混浴露天風呂「滝の湯」、かや葺き半露天風呂「かじかの湯」と展望大浴場「天の湯」の3つと家族湯の案内を受けて、今宵の部屋「きり」の間に案内された。

二部屋を希望したが、予約したときにはすでに大き目のこの部屋しか空いていないということでひさしぶりに6人で雑魚寝の気分だったが、孫達は一緒で喜んでいる。

早速、半露天の浴場「かじかの湯」に入る。女性は大浴場と半露天が渡り廊下で移動出来てよいが、男性はそれぞれで着替えないと入れない。女性陣が上がってくる間、待ち合いで座っていると涼しい風が通りやすいのか心地よい。

夕食の楽しみ馬刺しを別注した
夕食は地のもの中心の料理だったが、お目当ては別注していた馬刺し4人前だ。赤身と霜降りの2種類が盛られている。馬刺しを肴に地元の米焼酎を飲むがこれが最高に馬かった。
夕食後、混浴だから入らない妻と娘を置いて、玄関から歩いて、「滝の湯」に入りに行った。思ったより狭い湯船だが、見上げると、金龍の滝が流れ落ちて迫力満点。時間を分けて男女別々にすれば、混浴用の着替えなんか無くて女性が楽しめるのではないかと思う。

朝早く目が覚めたので、そっと起き出して展望大浴場「天の湯」に入った。大きく窓を開けて、涼しい風が入ってくるので、熱い湯が苦にならずゆっくり入れた。

コーナーの書棚と椅子部屋に戻るとみんなまだ寝ているので、そっと本を持って建物のつなぎにあった椅子に座り、しばし読書を楽しんだ。雨が降っていたが、風が強く寒いくらいで、しっかり読書が出来て貴重な時間だった。旅館にこんなスペースがあるとすごく得した気分になるのは僕だけではないだろう。

旅館で「五足の靴と熊本・天草」の本を見つけて購入した。日本人の書く旅行記として草分け的な「五足の靴」の旅を読み、九州に来て6年目の今年テーマとしてまだ行っていない天草を中心に歩いてみたいと思っている。

五足の靴と熊本・天草
販売元:国書刊行会
発売日:1983-06
おすすめ度:5.0
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