日本人のクルーズ人口が過去最高に、インバウンドは7割増、日数の短期化進む −国交省(2016年)


以下のデータのように、日本のクルーズマーケットがかなり変わろうとしていることがわかる。日本人のクルーズ人口は長らく20万人程度だったが、外国船の日本向けカジュアルクルーズの投入により大きく変わることになりそうだ。












(舞鶴港に2014年寄港したコスタ・ビクトリア号)

日本人ばかりが賑わう日本海側の港と中国人が降りる沖縄や九州、欧米豪州からの人が多い太平洋側の港と色分けされるのかもしれない。そして、その経済効果は当初の試算とは異なるものになるのかもしれない。

以下、クルーズ動向に注目したい。

国土交通省が発表した「2016年の我が国のクルーズ等の動向」によると、2016年の日本人のクルーズ人口は前年比12.4%増の24万8000人で、過去最多となった。

このうち、外航クルーズ(乗船地、下船地、寄港地のいずれかに海外を含む。フライ&クルーズも対象)の乗客数は15.5%増の15.4万人と2ケタ増。内訳は、日本船社分が2.0%増の1.0万人、外国船社分が16.6%増の14.4万人だった。外国船社による日本発着クルーズ数の増加が、クルーズ人口の拡大につながっている。






(ブレーメン号は南極北極にもいける豪華客船、舞鶴に今年も寄港)

国内クルーズ(日本船社の運航で、乗船地、下船地、寄港地のすべてが国内のクルーズ。内航フェリーによるチャータークルーズ含む)は7.6%増の9.4万人で、クルーズ船分が8.4%増の9.3万人。

平均泊数は外国船社が7.5日(前年8.2日)、日本船社が10.7日(前年21.4日)で、クルーズ期間の短期化が進んでいる。

国交省「2016年の我が国のクルーズ等の動向」より

日本へのクルーズ寄港回数も過去最高

2016年の国内港湾へのクルーズ船の寄港回数は、前年比38.7%増の2017回となり、過去最多。クルーズ船での外国人旅客数は78.5%増の199万2000人となり、2015年の111.6万人を大きく更新した。

寄港回数の内訳は、外航船社のクルーズ船が49.5%増の1443回と大幅に増加。日本船社のクルーズ船の寄港回数も、17.4%増の574回に増加した。

港湾別でみると、外国船社と日本船社の寄港地の違いが鮮明。外国船社では特に中国からのクルーズ船の増加により、この数年でトップや上位の顔ぶれが九州や沖縄など西側の港湾に入れ替わっている。一方、国内船社の順位に大きな変動はなく、横浜港と神戸港は2005年以来12年連続で1位と2位を占めている。(トラベルボイス2017年6月7日)