昨年8月鹿児島大学の原口教授から、2008年NHK大河ドラマに「天璋院篤姫」が決まっ
たよと聞いてから読みたいと思っていた本。
宮尾登美子さんの小説は読んだことがなかったが、大河ドラマでは05年の義経以来だ
そうだ。原口教授が篤姫の歴史考証を担当すると聞いたら大奥の話とはいえ、鹿児島
・島津家の歴史が多少なりとも理解できると思うからなおさらだ。
講談社から1984年に初版が発行されている。

読売新聞の紹介記事では「薩摩の島津家の分家に生まれ、藩主・斉彬の養女となった
篤姫(1836〜83年)がヒロイン。斉彬から見込まれた篤姫は、政略によって
13代将軍家定の正室として江戸城に送りこまれ、やがて大奥3000人のまとめ役
となる…というストーリー。」とある。



天璋院篤姫 (上)

この本は上・下巻の長編小説で上巻のさわりを紹介する。

指宿・今和泉郷11,000石の領主島津忠剛(ただとき)の娘として生まれたが、
小さいときの篤姫を奥老女の菊本は、「それはそれはおやしやすい姫君さまでござり
ました。お好き嫌いがはっきりしておさじゃいもすし、何よりお体がお強うおわし
て、めったにお床におつき遊ばすことはございませんでした。」
病弱な兄弟とは随分違ってなかなか活発な子供だったようだ。
このあたりで武士の多かった島津藩の組織を説明しているくだりが興味深かった。

また、28代島津藩第28代藩主となった斉彬から、徳川将軍の正室として篤姫を送り
出すくだりも面白かった。

「そなたから慶喜公を将軍に勧めて欲しいからじゃ。良いか於篤、国のため、徳川家
のため、この重大なる任務を首尾よう果たしてくれるか」とじゅんじゅんと語った。
女の身でも国の役に立てる、という陶酔感は、年来篤姫が胸に秘めてきた頼山陽の、
千載、青史に列するを得んの実行であるのをまざまざと感じる。」

ここから一気に下巻へ読み進んでしまった。
幕末から明治への大きな歴史変換の時期を大奥から眺めた小説で、是非一読お勧め
ですね。